「選挙に行っているけれど、正直よくわかっていない」という人は少なくないと思います。投票用紙に何を書いているのか、2枚もらう理由、開票速報の数字が何を意味するのか。調べてみると、意外と知らなかったことが多くありました。中学の公民でやったはずなのに、という内容のおさらいです。
この記事でわかること
- 衆議院と参議院の違い(任期・選び方・役割)
- 小選挙区と比例代表、投票用紙が2枚ある理由
- 知らなかった公職選挙法のルール
衆議院と参議院、何が違うのか
日本の国会は衆議院と参議院の2つで構成されています。同じ「国会議員を選ぶ選挙」でも、仕組みがかなり異なります。
| 衆議院 | 参議院 | |
|---|---|---|
| 議員の任期 | 4年(解散あり) | 6年(解散なし) |
| 改選のタイミング | 解散または任期満了 | 3年ごとに半数を改選 |
| 定数 | 465人 | 248人 |
| 選挙の種類 | 小選挙区(289)+比例代表(176) | 選挙区(148)+比例代表(100) |
衆議院は「解散」があるため、任期の途中でも選挙になることがあります。参議院には解散がなく、6年の任期を3年ごとに半数ずつ入れ替えます。「参院選は3年おきに必ずある」のはこのためです。
投票用紙が2枚ある理由
衆院選の投票所では用紙を2枚もらいます。1枚目は小選挙区用、2枚目は比例代表用です。
小選挙区は、自分の住む選挙区から1人だけ選ぶ投票です。用紙に書くのは候補者の名前。一番多く票を取った人が当選します。
比例代表(衆院)は、政党に投票します。用紙に書くのは政党名。各政党の得票数に応じてドント方式で議席を配分し、政党があらかじめ決めた順番(名簿)で候補者が当選します。
参院選の比例代表は少し違います。政党名でも候補者の名前でも投票できます(非拘束名簿式)。個人名の得票数が多い人から当選するため、知名度のある候補者が名前で票を集める戦い方ができます。なお2019年から「特定枠」制度が導入されており、政党が名簿の最上位に指定した候補者は個人票によらず政党票で当選できます。
どちらの院でも、比例代表の議席配分にはドント方式が使われています。実際の計算を試したい方はこちらをどうぞ。
→ ドント方式 計算ツール|開票速報で聞く議席配分を確かめてみた
知らなかった公職選挙法のルール
選挙に関するルールは公職選挙法で細かく定められています。調べてみると「そうだったのか」と思うルールがいくつかありました。
選挙当日は「候補者の名前を出した」選挙運動ができない
投票日当日は、候補者名を出して「○○に投票してください」と呼びかける選挙運動が禁止されています。SNSで特定の候補者を名指しして投票を呼びかけることも同様です。「選挙に行こう」という中立的な呼びかけはOKですが、候補者名を出した呼びかけはNGです。
街頭演説は投票日前日の夜8時まで
選挙運動期間は公示日(告示日)から投票日の前日まで。投票日当日は選挙運動自体が禁止されています。選挙カーやマイクを使った街頭演説も、投票日前日の夜8時が締め切りです。
戸別訪問は禁止
候補者や支持者が家を一軒一軒まわって投票を依頼する「戸別訪問」は、公職選挙法で禁止されています。買収や利益供与につながりやすいという理由から、日本では長らく禁止が続いています。
まとめ
衆議院と参議院は任期・解散の有無・比例代表の投票方式がそれぞれ異なります。投票用紙が2枚ある理由も、このしくみを知ると納得できます。公職選挙法のルールは複雑ですが、「当日は候補者名を出した呼びかけNG」「前日夜8時で演説終了」という基本を知っておくと、選挙報道を見るときの理解が変わります。
※ この記事は2026年5月時点の情報をもとに作成しています。法改正や制度変更により内容が変わる場合があります。正確な情報は総務省または各選挙管理委員会の公式情報をご確認ください。
実際に投票に行くときの手順はこちらにまとめています。
→ 選挙の投票方法|当日の流れと期日前投票のやり方をおさらい


