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「格安エアコンがなくなる」という話を聞いたことはありますか?
2027年4月、エアコンの省エネ基準が大幅に引き上げられます。現行の廉価機種の多くはこの基準を満たせず、メーカーが製造をやめていく可能性が高いとみられています。
この記事では、何が変わるのか・なぜ格安機種が消えるのか・今買うべきかどうかを、法的な根拠をもとに整理しました。
エアコンの2027年問題とは
「エアコンの2027年問題」とは、2027年4月から家庭用エアコンに新しい省エネ基準が適用されることを指します。
根拠となる法律は省エネ法(エネルギーの使用の合理化及び非化石エネルギーへの転換等に関する法律)のトップランナー制度です。2022年5月31日、経済産業省が新基準を告示しました。
現行の基準は2010年に設定されたもので、15年以上据え置かれていました。今回の改定は過去最大級の引き上げになります。
省エネ基準(APF)がどのくらい引き上がるか
エアコンの省エネ性能は APF(通年エネルギー消費効率) という数値で表されます。1年間の冷暖房能力を消費電力で割ったもので、数値が高いほど省エネです。
新基準(2027年4月施行)では、現行基準から大幅に引き上げられます。
| 機種(冷房能力) | 現行基準(2010年) | 新基準(2027年) | 引き上げ幅 |
|---|---|---|---|
| 6畳用(2.2kW) | APF 5.8 | APF 6.6 | +13.8% |
| 8畳用(2.5kW) | APF 5.8 | APF 6.6 | +13.8% |
| 14畳用(4.0kW) | APF 4.9 | APF 6.6 | +34.7% |
| 18畳用(5.6kW) | APF 5.0 | APF 6.3 | +26.0% |
14畳用では改善率が34.7%と非常に大きくなっています。現行の廉価機種は APF 5.8〜5.9 前後のものが多く、新基準 APF 6.6 を満たすには大幅な設計変更が必要です。
適用時期は機種によって異なります。
- 壁掛け形エアコン(一般的な家庭用):2027年4月〜
- 天井埋込型・マルチエアコン:2029年〜
「販売禁止」は誤解。正確な仕組みを解説
「2027年以降、基準を満たさないエアコンは販売禁止になる」という情報が出回っています。これは厳密には正確ではありません。
トップランナー制度の仕組みはこうです。
- メーカーは「年度内に出荷した製品全体の加重平均APF」で基準達成が求められる
- 基準を満たさないメーカーには、経産大臣から勧告→公表→命令→罰金(100万円以下)という手順で行政指導が入る
- これを避けるために、メーカーは採算の合わない廉価機種の製造・出荷を自主的にやめる
つまり「消費者が買えなくなる」というより「メーカーが作らなくなる」という形です。結果として市場から格安機種が徐々に姿を消していく可能性が高いとみられています。
整理
✅ 正確な表現:「2027年以降、廉価機種がメーカーの自主判断で製造終了になる可能性が高い」
❌ 誤解を招く表現:「2027年から格安エアコンの販売が法律で禁止になる」
価格への影響:すでに値上がりが始まっている
大手メーカーはすでに動いています。パナソニックは2025年4月に家庭用エアコンを5〜55%値上げしました(事実として確認済み)。
現行の価格帯を見ると、新基準を満たすかどうかで差が出始めています。
| クラス | APF目安 | 価格帯(6畳用) | 2027年以降 |
|---|---|---|---|
| 廉価クラス(旧基準相当) | APF 5.8〜5.9 | 6〜8万円台 | 製造終了の可能性大 |
| スタンダード(新基準達成) | APF 6.6以上 | 10〜13万円台 | 継続販売見込み |
| ハイグレード | APF 7.0以上 | 15万円〜 | 継続販売見込み |
「2倍になる」という情報もありますが、現時点では1.5倍程度が合理的な見通しです(業界予測であり、確定情報ではありません)。
「フロン規制」との混同に注意
「エアコンの冷媒規制で2027年に価格が上がる」という説明も見かけますが、家庭用ルームエアコンのフロン規制はすでに2018年に完了しています。
現在の家庭用エアコンの冷媒は、ほぼすべて R32(GWP 675) に切り替わっています。これはフロン排出抑制法の指定製品制度の目標(GWP 750以下)を満たしており、追加規制は当面ありません。
冷媒規制が2025年に実施されたのは業務用のビル用マルチエアコン(R410A冷媒のもの)の話です。家庭用ルームエアコンとは別の話になります。
2027年問題の本質は省エネ法のAPF基準引き上げの一点です。
2026年に買うべきか?判断の目安
「今すぐ買ったほうがいい?」という疑問に対して、状況別に整理しました。
| 状況 | 判断 | 理由 |
|---|---|---|
| 今すぐ壊れそう・故障している | 今すぐ買う | 修理より買い替えが割安なケースが多い |
| 5〜7年以上使っている(APF低め) | 買い替え検討 | 電気代節約で元が取れる可能性がある |
| まだ3〜4年で正常動作している | 急がない | 現時点でも APF 6.6 機種は十分流通中 |
| 廉価機種でとにかく安く買いたい | 早めが有利 | 2026年末〜2027年頭にかけ品薄・値上がりの可能性(予測) |
「2026年末に駆け込み需要で品薄になる」という予測もありますが、これは業界の見通しであり、確定情報ではありません。ただしAPF 6.6 以上の機種を選んでおけば、2027年以降も問題なく使い続けられます。
APF 6.6 以上の機種を選ぶポイント
2027年問題に対応するなら、購入時にカタログの APF 値を確認するのが最も確実な方法です。
- 家電量販店の店頭ラベルまたはカタログに「APF〇〇」と記載されている
- 「省エネ達成率」が100%以上の機種 = 現行基準達成(ただし新基準APF 6.6かどうかは別途確認)
- 主要メーカーの中堅クラス以上(スタンダードモデル)は概ねAPF 6.6 前後を達成している
各メーカーの具体的なおすすめ機種については別記事でまとめる予定です。
まとめ
- 2027年4月から省エネ法の新APF基準が適用(壁掛け形エアコン)
- 廉価機種は新基準を満たせず、メーカーが製造を自主的に終了していく可能性が高い
- 「販売禁止」は誤解。正確には「採算が取れなくなったメーカーが廉価機種を製造しなくなる」
- 価格は現行比1.5倍程度になると予測されている(業界予測・確定情報ではない)
- フロン規制は家庭用では2018年に完了済み。今回の問題とは別の話
- 急ぎでなければ「APF 6.6 以上の機種」を選ぶのが長期的に無難
電気代のシミュレーションは以下のツールで計算できます。
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