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「小選挙区」「比例代表」「死票」。選挙のニュースで当たり前のように出てくるのに、いざ説明しようとすると私は言葉に詰まりました。なので、選挙区制の基本である小選挙区・大選挙区・比例代表の違いを自分で調べ直してみました。比例の議席計算(ドント式)を実際に試せるツールへの入り口も用意しています。
選挙区制とは?
選挙区制とは、ざっくり言えば「どの区域(選挙区)で、何人の代表を選ぶか」という選挙のルールの組み方のことです。1つの選挙区から何人を選ぶか(定数)によって、選挙の性質は大きく変わります。代表的なのが、小選挙区制・大選挙区制・比例代表制の3つです。
3つの基本|小選挙区・大選挙区・比例代表
| 制度 | 選び方 | 長所 | 短所 |
|---|---|---|---|
| 小選挙区制 | 1つの選挙区から1人を選ぶ | 大政党に有利で政権が安定しやすい/仕組みが分かりやすい | 死票が多い/少数意見が反映されにくい |
| 大選挙区制 | 1つの選挙区から2人以上を選ぶ | 死票が少ない/少数派も当選しやすい | 候補者が乱立しやすい/同じ政党内で争いになりやすい |
| 比例代表制 | 政党の得票数に比例して議席を配分 | 民意(得票)が議席に反映されやすい/死票が少ない | 小さな政党が乱立しやすい/連立で不安定になりやすい |
かつて衆議院で使われていた「中選挙区制」は、1つの選挙区から3〜5人ほどを選ぶもので、大選挙区制の一種です。
小選挙区の「死票」って?
死票(しひょう)とは、当選に結びつかなかった票のことです。小選挙区は1人しか当選しないので、負けた候補に入った票はすべて死票になります。簡単な例で見てみましょう。
- A候補:6万票 → 当選
- B候補:5万票 → 落選(死票)
- C候補:4万票 → 落選(死票)
このとき、当選したAの6万票より、死票になったB+Cの9万票のほうが多いのが分かります。「過半数の支持がなくても当選できる」「負けた側の票が議席に反映されない」のが小選挙区制の弱点で、これが死票が多いと言われる理由です。比例代表は、この死票を減らす方向の仕組みだと考えると、両者の違いが見えてきます。
日本の今|衆議院と参議院の制度
日本では、1つの制度だけでなく、複数を組み合わせて使っています。
- 衆議院:小選挙区比例代表並立制。小選挙区(289議席)と比例代表(176議席)を組み合わせ、合わせて465議席。
- 参議院:選挙区制と比例代表制の組み合わせ。3年ごとに半数を改選します。
「小選挙区で地域の代表を選びつつ、比例代表で民意の幅も反映する」という、長所を組み合わせた形です。
もう少し踏み込むと、併用には「弱点を補い合う」というねらいがあります。小選挙区だけだと政権は安定しやすい反面、死票が多く少数意見が切り捨てられがち。逆に比例代表だけだと民意は反映されやすい反面、小さな政党が乱立して不安定になりやすい。そこで両方を組み合わせ、安定(小選挙区)と多様性の反映(比例代表)の両取りを狙ったのが「並立制」です。日本では1994年の政治改革で、それまでの中選挙区制からこの形に変わりました。
衆院と参院で、比例のしくみが違う
同じ「比例代表」でも、衆議院と参議院では選び方がけっこう違います。
| 観点 | 衆議院の比例 | 参議院の比例 |
|---|---|---|
| 単位 | 全国11ブロック | 全国まとめて1つ |
| 名簿 | 拘束名簿式:政党が順位を決め、有権者は政党名で投票 | 非拘束名簿式:政党名でも候補者名でも投票でき、個人票の多い順に当選(特定枠あり) |
| 重複立候補 | できる。小選挙区で落選しても比例で復活当選(惜敗率で順位) | なし |
なぜ違うのでしょうか。二院制では、衆参が同じ選び方だと議席の構成が似てしまい、二つに分けて審議する意味が薄れてしまいます。そこであえて選び方を変え、違う角度から民意を反映させるようにしているわけです。衆議院の比例は小選挙区とセットで機能し(復活当選など)、参議院の比例は全国規模・個人本位で、衆議院とは異なる代表のあり方を持たせています。
比例代表の議席はどう決まる?|ドント式
比例代表で「得票数に比例して議席を配る」とき、実際の計算に使われるのがドント式です。各党の得票を1、2、3…と順に割っていき、その商が大きい順に議席を埋めていく方法です。言葉だけだと分かりにくいので、数字を入れて自分で動かしてみるのがいちばんの近道です。
下の記事に、得票数を入れると議席配分が出る計算ツールを用意しています。

【ミニクイズ】選挙区制クイズ
答えを考えてから「答えを見る」を押してください。
Q1. 1つの選挙区から1人だけ選ぶのは、小選挙区制?大選挙区制?
Q2. 死票がいちばん少なくなりやすいのは、次のどれ?(小選挙区/比例代表)
Q3. 衆議院は「小選挙区比例代表並立制」。○か×か。
まとめ
- 選挙区制は「どの区域で何人選ぶか」のルール。小選挙区(1人)・大選挙区(複数)・比例代表(得票に比例)が基本。
- 小選挙区は政権が安定しやすい反面、死票が多い。比例代表は死票が少ない反面、小党乱立になりやすい。
- 日本は衆議院=小選挙区比例代表並立制、参議院=選挙区+比例代表の組み合わせ。
- 比例の議席配分はドント式で計算する。
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